今回は「パーティー登山と会社経営について」記事を書いてみようと思います。
業績を上げている企業とそうでない企業、その差がどこにあるか?私なりの考察です。
それではどうぞ!
目次
チーム力が必要な会社経営と登山

・・てな感じで、登山ってよく会社の業績や業務の工程に例えられます。
確かに登山は例え話に使いやすいですよね。
一歩一歩頂上へと向かっている状況は、会社での自分の成長に例えやすいし、会社の業績も同様です。
そして自分の目標を達成した時の達成感、充実感はまさに登頂した時に感じる時のものと同じです。程度の差こそあれ。
しかし、最近は経営を登山に例えるどころか、登山そのものを経営に役立てる傾向が強いのです!
例えば、重い荷物を背負いながらパーティーを率いて頂上を目指す登山は、経営者がリーダーシップを発揮し、前例のない様々な問題を手際よく解決しながら、進むべき道を切り開いていかなければならない会社経営と極めて似ています。
これまで日本企業の経営陣やチームの社交の場と言えば、ゴルフに行くことが当たり前でした。
近年、急成長を遂げている企業は、ゴルフの代わりに登山に行くことを習慣にしていることも多く、例えば、楽天の三木谷氏は毎年恒例であった役員幹部のゴルフ旅行を7年前に取り止め、幹部チームを引き連れて、毎年、谷川岳に登ることで、お互いの親交を深め、チームとしての結束力を強くしていると言います。
通常、登山というのは常に危険と隣り合わせのため、会社経営以上にチーム力が必要とされます。
そういった意味で、いくら経験豊富な登山家と一緒でも、仲間も思いやれない人たちであったら、お互いの命を預ける相手として不安を感じざるを得ません。
また、いくら付き合いやすくて、話しやすい人たちでも、山で生き延び成功するだけのスキルを持ち合わせた人でなければ、「登頂する」という目的を果たすことはできません。
チームワークとスキルが揃ってこそ登頂が可能になる!会社経営とも相通じるチーム力が必要なのです。
登山に会社経営の真髄を見出した「言葉」

アウトドアブランドであるモンベルの創業者、辰野勇氏も、登山と経営は似ているとして、次のように述べています。
登山中に、“雨が降れば危険な状態になる可能性がある”と判断できても、“登り続けるのか、下るのか”という決断を下して行動に移せなければ、状況は変わらない。登山ではまさに、そんな決断を瞬時に行わなければ、命にかかわる。
会社経営もよく似ている。とりわけ、創業者にはカリスマ的なリーダーシップが求められる。前例のないさまざまな問題を手際良く解決しながら、進むべき道を選択して行動し続けなければならないからだ。
やがて歳月を経て世代も代わり、先人の踏み固めた道を隊列を組んで歩くようになれば、リーダーは先頭を行くのではなく、最後尾のしんがりからから隊全体を見て、進む方向を示すことになるのではあるまいか。

例えば、金融投資の提案書は「過去の実績は必ずしも将来の結果を示すものではありません」という言葉がつきものですが、これは登山にもそのまま当てはまります。
同じ山に5回すんなり登頂できたからと言って、6回目もすんなりと行くとは限らないのです。
ゴールドマン・サックスからアメリカ初の女性エベレスト遠征隊隊長、七大陸最高峰登頂を達成したアリソン・レヴァイン氏は登山から学んだ経営論について次のように述べています。
たとえあなたが自分のチームのスキルに100パーセントの自信を持ち、頼もしい実績もあるとしても、やはり助けが必要な状況に陥る可能性はあるということだ。 どんなに優秀で経験があっても問題が起きる可能性はある。だからこそ、 ピンチのときに頼れる人間を周囲に集めておくといい。まったく予想もしなかった場面で支援が必要になる場合もあるからだ。
また、世界的に有名な登山家であり、ビジネスリーダーでもあるAdrian Ballinger氏は次のように語っています。
特に高い標高にさしかかった時、リーダーシップと決断力が命運をわけます。山は“間違い”が、直接怪我や死につながることを教えてくれる数少ない場所で、その体験が生涯忘れられない先生となることでしょう。
過剰なストレスでロボットと化した現代人

都会の生活は、エアコンの温度が一定、街の明るさが一定で生活に変化がなく、ビルケント大学で心理学の教授を務めるディビッド氏によれば、通勤ラッシュに巻き込まれる人が受けるストレスは、臨戦態勢の戦闘機のパイロットや機動隊の隊員が受けるストレスよりも大きいと言います。
日本医科大学のチン・リー助教授の研究では、森林の中で時間を過ごすことで、ストレスや心配事、そして怒りが軽減されることが分かっており、社内の意思疎通やコミュニケーションが上手くいかないのは、都会という人工的な環境が、人間が本来持っているはずの「人間性」を制御してしまっていることが原因なのかもしれません。
都会で生活していると、同じ職場内でも日々の忙しさに追われて、挨拶をしなかったり、素直にコミュニケーションを取ることができなかったりします。あなたにもに身に覚えがあるはずです。
しかし、大自然の中に身を置くとそれがガラリと変わり、全く知らない人同士でも、テントで隣り合わせになると、自然と「おはようございます」と挨拶をしたり、キャンプファイヤーの火を目の前にすると、なぜか自然と自分の悩みや本音を話してしまったという経験は、誰しも思い当たるのではないでしょうか。
マイクロソフトに事業を売却した経験を持つ日系2世の起業家、斉藤ウィリアム氏は、イノベーションを起すためにチームの重要性を指摘していますが、今の日本社会はアメリカ以上に個人主義の国になってしまった、と述べています。
あなたが企業やグループのリーダーであれ、遠征隊のリーダーであれ、チームや組織を大事だと考えていることをチームに伝えるためには、彼らの家族や趣味、そして将来の夢など、仕事以外のもっと深いレベルまで知る必要があります。
その結果、彼らが「自分は価値のある人間」だと知ることで、初めて強い絆が生まれてくるのです!
適度な階層制度は必要

近年、日本では「個人」に焦点が当てられ、課長、部長のような縦社会ではなく、役職を出来るだけ廃止した職場環境を作ろうとしている雰囲気があります。
ただ、どれだけフラットな関係を意識した組織作りをしたとしても、企業が同じ方向を向いて進んでいくためには組織を引っ張っていけるリーダーの存在が不可欠となります。
グーグルでは数ヶ月だけ、マネージャーというポジションを無くすという実験が行われましたが、効率的なコラボレーションを促進させたり、明確な戦略とビジョンを持つためには、ある程度の階層制度が必要なことに気づいたそうです。
そういった意味でも登山は、リーダーシップの能力を最大限に発揮して、チーム全体・組織全体で一つの目標を達成するためのトレーニングとしては最高の舞台、なのかもしれません。
リーダーに守られている安心感が最高の能力を発揮する

登山と同じように常に危険と隣り合わせの環境にある軍隊では、自分を犠牲にして他人を助ける人に勲章を与えますが、ビジネスの世界では、会社に利益を与えてくれた人にボーナスを支払います。
登山や軍隊では、自分を犠牲にしてまで仲間を守りますが、会社では社員に数字を競わせ、いち早く出世することが推奨されます。
アメリカのベストセラー作家であるサイモン・シネック氏は、なぜ軍人達が自分を犠牲にしてまで仲間を守ろうとするのかという内容を著書「リーダーは最後に食べなさい」にまとめました。本の中でのシネック氏の主張はこうです。
軍隊に所属する人たちは、ただ人間味が素晴らしい人たちの集まりでは決してなく、リーダーに守られているという安心感があるからこそ、自分を犠牲にしてもチームワークを尊重し、最大限のパフォーマンスを発揮することができるのだ。
ただ、クリエイティブで常に業界の流れを作っていく組織は、多くの人がイメージする日本の典型的な年功序列や縦社会の文化とは全く違った階層制度を意識していることは間違いないでしょう。
日本を代表する登山家、栗城史多さんは「楽しくなかったら、下山しろ。」と述べています。
しかし、どんなに厳しい状況であっても楽しめるからこそ続けることができる、そういった意味で、登山にしても経営にしても、リーダーや組織のメンバーが「楽しめている」かどうかは、ひとつの大きな判断基準になっていくのかもしれません。
まとめ

経営者、政治家、心理学者、そしてスポーツ監督、リーダーシップについて書かれた本ならいくらでもありますが、それらを読んで分かった気になるのではなく、登山というプロセスを通じて、実践に移すことで、その経験が組織の細胞に組み込まれていくことでしょう。
ただ、当たり前のことかもしれませんが、パーティー登山をする上で、登頂当日の行動だけが重要なのではありません。日々の他人への接し方ひとつが、本当の困難に直面した時の命運をわけることになりますが、そういった意味でも、やはりパーティー登山と会社経営は似ているところが多いのでしょう。
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