都会の喧騒、会社や学校での人間関係、家庭でのイザコザ・・・現代人の悩みは尽きません。あなたも、そしてもちろん私もそうですが、現代の日本で生活を営む以上、そんなストレスから逃れる術はありません。
朝起きたら胃がキリキリ痛む・・・嫌になってきますよね!?
そんな生活に嫌気がさし、せめて週末くらいは美しい自然に囲まれた中で思いっきり汗を流したい!とばかりに、山に来られる人が多くいらっしゃいます。
ただ・・実は山にも危険がいっぱいなのです。ニュースなどでご存知かもしれませんが、山での遭難や滑落などの事故が多発しています。
もちろん、あなたを脅すつもりはこれっぽっちもありません。むしろ、癒しを求めて山に来るあなたには、大いに癒されていただきたい!山に来て本当によかったと思っていただきたい!そして何より怪我なく五体満足で帰っていただきたいのです。
そのために、今回の記事では、登山で遭難しないためにはどうすれば良いか、万が一遭難してしまったらどう対処したらいいかをお話したいと思います。
山で怪我をする人、山で死亡する人を限りなくゼロに近づけたい!そんな私の切なる思いをこの記事に込めてあなたにお贈りします。
ぜひとも最後までご覧ください。それではどうぞ!
目次
山で困った時の対処法
道迷い

山の遭難事故で、最も件数が多いのが道迷いです。
予定とは違う道に進んでしまったり、道ではない場所へ入りこんでしまったら、いったん行動を中断し、落ち着いて対処を考えましょう。
「このまま進めば目的地に着くはず」といった思いこみは深刻な事態を招きます。歩きつづけるうちにさらに状況が悪化しかねません。
コースの誤りに気づき、進んできた道が判別できる状況なら、地図で確認できる地点までもどることが第一。もしヤブなどに入りこんでしまったら、できる限り安全なルートを探りながら尾根上へ向かって登ります。見通しのきく地点まで登れば、周囲の地形から現在地を把握しやすく、解決の糸口も見えてきます。
下るほうが楽だからと、安易に下ってしまうと、滝や急流に阻まれ、立ち往生してしまう、または足を踏み外して転落・滑落事故を起こしてしまうことがあります。沢へ下るのは危険だと認識しておきましょう。
もちろん、道迷いを起こさないためには、出かける前にコースを下調べし、地図を必ず携行して歩き、行動中はこまめに地図を開いて位置確認をしながら歩く習慣をつけることが大切です。
登山中に何かアクシデントが生じ、やむなく一夜を過ごす事態をビバークといいます。
できれば避けたいビバークですが、日没後に無理して行動するより、山中にとどまり、体力を温存して朝を待つと判断したほうがよいケースもあります。その意味で、ビバークは危険回避手段のひとつといえます。できる限り安全な場所を探して、一夜を明かす準備を整えましょう。
このとき、寒気や風雨から身を守るのが、ツェルトやエマージェンシーシート、ロウソク、固形燃料などの用具です。
ツェルトは簡易型のテントで、立ち木やロープを使って設営したり、また状況によっては、単に頭からかぶって風雨をしのぎます。1~2人用、3~4人用などのサイズがありますので、人数に応じて備えると、いざというとき役立ちます。長いコースや泊まりがけの山歩きに出かけるようになったら、ぜひ備えておきたい用具です。
エマージェンシーシートは、手のひらに収まる程度のサイズに折りたたまれたアルミ箔状のシートで、広げて身を包むと保温効果があります。
ロウソク、固形燃料は、暖をとるだけでなく、シェラカップなどでお湯をわかすこともできます。これらをコンパクトにまとめて、非常食やヘッドランプ、救急薬品類とともに携行していると、山歩きの安心度も高まります。
ケガ

傷口を洗い流し、消毒液や絆創膏などで手当てをします。
ただし、山ではどこでも流水が得られるわけではないので、傷口を洗い流すための真水を持っていなければなりません。
飲料とは別に、小型のペットボトルなどに真水(水道水)を入れて携帯すると、救急用に役立ちます。飲料の補助にもなりますが、下山するまで、少量でも残しておくことが肝心です。
応急手当てのため、消毒液や絆創膏、山行日数によっては解熱剤や胃腸薬など、最低限の薬品類をコンパクトにまとめて携帯しましょう。
下山して医療機関で治療を受けるまで、症状が悪化しないよう応急手当てをします。
ネンザの場合、ネンザした関節が動かないよう、タオル、テーピングなどで固定します。
足首をネンザし、靴を履いたまま下山する必要があるときは、靴の上から固定することもあります。靴を脱いでしまうと、患部が腫れ、再び靴が履けなくなる可能性があるからです。
下山するときは、パートナーの肩をかりたりして、患部になるべく負担をかけないようにして歩きましょう。
骨折の場合も、患部を固定することで症状の悪化を抑えます。
布類だけでは不充分なので、副木やその代わりなるもの(折たたみ傘やストックなど)をあてて固定します。タオルや衣類などクッションとなるものを巻きつけて、患部を押さえつける力が均等に分散するようにします。患部の上下の間接までを固定するのが基本です。
そのほか山の救急医療に関して、詳しくは、下記の書籍を参考にしてください↓



救急救命法は、講習会などに参加して実地に習得するのが早道です。代表的な講習会に、日本赤十字社の全国の支部で実施している救急法講習会があります。日常生活や社会的な災害時にも役に立つ知識です。
天気・自然現象

雨が降り出すときは、暗い雨雲や湿った風など、たいてい兆候を感じるもの。これからの区間、難所の続くような場所では、行動前に天候を判断することも大切です。
いざ強い雨に遭ったら、すぐに行動を中断、雨具を着用して体をぬらさないことが大切です。
雨に濡れると体温をうばわれかねませんので、雨具を着て体を冷やさないように。持っていればザックカバーを装着し、着替えなどの荷物も濡らさないようにしましょう。
防寒対策をしたら、今後の行動を考えます。例えば、こういった手段が考えられるでしょう。
- 近くの山小屋に行って様子を見る
- コースを短縮してエスケープルートを下山する
- 往路を引き返す
現在地や天気の先行きによって判断はさまざまですが、無理をぜず安全を確保することが第一です。
山で遭遇する雷は、極めて危険です。山での落雷による事故例は少なくありません。
落雷に遭いやすい稜線や高原で雷鳴を聞いたら、20~30分以内には頭上に雷雲が来ると予測できます。
もちろん雷の発生時には、積乱雲などの兆候があり、観天望気によって雷を予測し、早くから山小屋に待機して様子を見たり、予定を切り上げて下山を開始する、といった対策も可能です。
しかし、思いがけず雷鳴を聞き、近くに避難できる山小屋もないという状況では、わずかな時間に対処しなければなりません。
基本的に雷は高い場所に落ちるので、できるだけ低い場所、稜線なら鞍部や窪地のような地形に退避し、しゃがんで雷をやり過ごします。
そして大きな雷鳴が去ったら、山小屋へ移動したり、比較的安全な樹林帯へと下山する、という対処になります。
雷については、こうすれば絶対に安全というものはなく、かなり緊迫した状況での応急的な対処といえます。本来は、つねに天候の変化に気を配り、早くから判断して行動に結びつけていくことが大切です。
テレビやラジオの天気予報の情報でも「今日は午後から雷があるかもしれない」という最低限の予測と心構えは可能です。登山をきっかけに、雲を眺めて独自の天気予報をしてみる習慣を持ってみてもいいかもしれません。
こちらの書籍を参考にして見てください↓

体調の急変

高山病(高度障害)は、気圧と酸素濃度の低下に体が適応できずに起こるもので、頭痛やめまい、吐き気などの症状が表れます。ヒマラヤなどの高峰や高地で起こるものばかりではなく、日本の山でも標高2500~3000m以上でこうした症状を自覚することがあります。
高山病にかかると、登り続ける限り、症状が緩和に向かうことはありません。下山することが唯一に近い対処法で、たいていの場合、高度にして500mほど下山すると、だいぶ楽になります。
高山病を防ぐには、無理のない行程を組むことが第一。標高差の大きいコースは、一気に登らず、適度に休憩をはさみながらゆっくりと登ります。休憩時には腹式呼吸での深い呼吸を意識し、行動中は、水分をよく補給し、トイレをがまんしないこともポイントです。
高山病についてはこちら
↓
富士登山でスマートに高山病対策
寒さに寄る身震いは低体温症の初期症状です。
濡れた身体が強風や寒さで体温が奪われ、激しく疲労してしまうため、エネルギー補給が追いつかないと低体温症になり、最悪の場合、疲労凍死となってしまうことがあります。
体力を過信したことによる無理な行動、天候急変や悪天候時の無理な行動では、真夏の登山でも起こります。
雨風を避けられる場所を確保し、乾いた衣服に着替え、寝袋などで保温し、温かい飲み物を飲んだり、ブドウ糖を補給したりすることで早期の回復を試みましょう。
危険な生物

スズメバチは、動きが活発になる晩夏から秋にかけて被害がよく報じられます。山では崖下など、雨の当たらない乾燥した場所によく巣を作ります。
巣の周辺では警戒役のスズメバチが飛んでいますので、巣を見つけたり、数匹でも飛んでいるのを見かけたら、すみやかにその場を去るのが第一の対策です。
山でもっとも遭遇したくない野生動物といえば、クマ。対策にはクマに対して人間の存在を知られるクマ避けの鈴がよく知られています。
スズメバチもクマも、まずは出没情報に注意しましょう。
万が一、クマに遭遇してしまったら、あわてず静かにクマの目を見て、じわじわと後退します。クマの気をそらすためにはザックを足もとに置き捨てます。大声で威嚇したり、いきなり逃走するのは禁物。クマが見えない場所まで後退してから、逃げるようにします。
登山用具のトラブル

基本的に、登山用具は頑丈に作られています。しかし、登山靴の素材によっては加水分解などが起こり、剥がれることがあります。日ごろから手入れをするとともに、準備時に用具の点検もしておきたいところです。
歩行に直接かかわる登山靴の場合、応急修理をしなければ歩けません。
靴底の剥離には、細引きと言われる登山用の細いロープ、テーピング用テープ、ガムテープなどが有効ですが、山と溪谷誌の実証実験によると、手ぬぐいを引き裂いてひも状にして巻くのが最も有効だそうです。
頭の隅に覚えておくと応急処理でなんとか履けるようにはなるでしょうが、登山を続行するには充分ではありません。予定していた山行を取りやめ、安全に早く下山しましょう。
山小屋

宿泊を伴う山小屋の利用は、予約が必要な場合がほとんどです。開設期間の確認や現地情報の入手を兼ねて、できるだけ事前の連絡と宿泊予約をしましょう。
しかし「日帰りの予定だったが、途中で体調をくずしてしまい、近くの山小屋に泊まりたい」ということもあり得ます。そのときは、事情を告げて近くの山小屋を利用しましょう。
ただし、山小屋への到着が遅くなると、食事が簡易的なものになったり、混雑時には食堂や廊下に布団を敷いて就寝するということもあります。それでも体調のすぐれないままビバークすることを思えば、山小屋は心強く貴重な存在です。
こうした状況を考え、日帰りでも計画時にコース中の山小屋の位置や開設期間を把握しておくと、緊急時対策になります。
なお、すでに山小屋へ予約しているが別の山小屋に泊まることになった場合、連絡手段が得られる場所からすみやかにその旨連絡を入れなくてはなりません。あなたのマナーが試されます。
入山者数の多いコース中の山小屋は、夏の週末や紅葉シーズンの連休などは非常に混雑します。
混雑を避けてゆったりしたいと考えたら、まずピーク時期をはずして計画しましょう。また、混雑状況については、予約時に確認することもできます。
しかし、休暇の事情でどうしてもピーク時期に出かけるのであれば、混雑を覚悟する、という心構えも必要です。
廊下でも寝られるようシュラフ(寝袋)を持参し、自炊の用意をするという登山者もいます。
山小屋側でも、食堂を片づけ、布団を敷いて寝室にあてる、といった対応をすることもあるので、まったく寝る場所もないという状況はまずありません。
混雑している山小屋では、装備を整頓し、就寝スペースを広く専有しないといったマナーが大切です。同室の登山者と声をかけ合い、貴重品以外の装備はまとめて廊下に出す、といった工夫も心がけましょう。利用者お互いのゆずり合いが、心地よくすごす最大のコツといえます。
マイカー利用のアクセスは自由度がありますが、登山口の付近の駐車場の確認やマイカー規制情報など、事前準備は欠かせません。
駐車場については、どの登山口にも整備されているわけではなく、マイカー利用に向かないというコースもあります。また、駐車場が設けられていても、ピークシーズンは混雑で停められないこともあり、コースや時期によっては、その場合の対策を考えておく必要もあります。
情報を得るには、ガイドブックをはじめ、必要に応じて役場の観光課、観光協会に問い合わせましょう。
登山口にマイカーが置けなかった場合、適切な駐車場へ移動し、そこから歩いて、またはバスやタクシーを利用して登山口へ向かうことになります。どれくらい遅れるかによっては、コースを短縮するなど計画を見直す必要もあります。
なお、尾瀬や北アルプスの上高地・乗鞍岳、富士山などでは通年、または期間を定めてマイカー規制を実施しています。登山口までの経路を調べるときなど、マイカー規制の情報にも注意することが必要です。
- 雨具を入れ忘れた
- テント山行なのにテントのポールを忘れた
- 運転をスニーカーでしていて登山靴を忘れた
- 冬山なのにアイゼンを忘れた
登山口で、歩き始めて、テント場で、はじめて気がつく忘れ物もあります。代用できるものがない場合、本格的な登山コースに必携用具がない場合、登山を中止して引き返すべきでしょう。
水や食料も、同行者からわけてもらうといった確実な方法がなければ、登山を続けることはできません。地図や季節によっては防寒着なども同様です。
ツアー登山などの場合、旅行会社から事前に渡される装備表に沿った準備をしていない場合は、ツアーに参加できないことも考えられます。
登山口によっては、入山者ひとりひとりの用具が、その山域と季節に合っているか、必携品があるかのチェックがあるところもあります。
忘れものを防ぐには、前日までに、登山計画書とともに装備リストを作成して、出発前にチェックするのが基本です。
実際に私も、真夏の登山でテント場まで来てテントがザックに入ってないことに気がついたという苦い経験があります。この時は、断腸の思いで下山しました。
山岳保険

一刻を争う遭難事故ではヘリコプターでの捜索や救助などが行われますが、この救助にかかる費用をご存知でしょうか?
さまざまなケースが考えられるので、一概に「費用は〜円です」とは言えませんが、稼働1分間で1万円が相場とも言われ、何百万とも何千万とも言われています。
ヘリコプターは防災ヘリが出動した場合は、救急車と同じく自治体負担となるが、民間のヘリコプターが出動した場合は費用は本人負担となります。
また、近年の遭難事故の増加により、自治体によっては防災ヘリも本人負担にしようとする動きもあります。救急車も同様ですよね?
いざ遭難した場合は、一刻を争うので、防災ヘリや民間ヘリなどを選ぶことはできません。また遭難事故に遭遇した場合、救助にかかる費用はこれだけではなく、莫大な費用がかかると言われています。
万が一に備え、山歩き特有の事故や遭難救助の費用もカバーできる山岳保険・ハイキング保険の加入をおすすめします。
山岳・ハイキング保険には、1回ごとに掛ける短期型と1年を通じて加入するタイプがあります。
年に5回以上登山するならば、保険料は年間加入タイプが割安です。
また、岩登りや雪山までを広くカバーする山岳保険と、軽登山を対象としたハイキング保険では、保障内容も保険料も異なります。
オールラウンドの山岳保険は年間7000円~10000円、ハイキング保険が年間3000円~5000円となっています。
加入にあたっては資料を入手して検討し、自分の山歩きに合った保険を選ぶとよいでしょう。
山岳・ハイキング保険取り扱い会社は下記の通りです。参考にしてください。
最後に
日常とは異なる世界を楽しむ登山、人の手が入らない山の美しさがあなたを癒やしてくれますが、人の手が入らないということは、自然の脅威もそのままあなたについてまわります。
山では全てがあなたの責任です。そのことをしっかりと認識し、準備を整えた上で登山を行うべきではありますが、近年、山での遭難事故が後を絶ちません。
好きで遭難事故を起こす人などいない、いるはずがない!もちろん、そんなことはわかっていますが、しっかりと準備を整えたベテラン登山家であっても遭難事故に遭遇することがあるのです。
もしあなたが登山初心者であるならば、登山準備をしっかりと整えて、心構えをしっかりと持った上で登山に望んでいただきたいと思います。
もうこれ以上、山の遭難事故のニュースを見たくない!!心底そう思います。
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山での遭難事故は増え続けています。計画不足、体力不足、経験不足が主な原因と言われています。
ただ、あなたが大きな遭難事故に遭遇するまえに、対処できることもたくさんあります。ここでは最低限知っておきたいことと、その対処法を紹介します。