落雷の心配をせずに登山を楽しむ方法

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こんにちは!コピーライター兼登山家の松浦です。

今回は落雷についてお話します。

こちらで様々な山でのトラブルについてお話してきました。

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いずれも山では避けたいトラブルに違いはありません。これらのトラブルの中には、最悪のケースとして死に至るものもあります。

例えば、出合い頭に熊と遭遇、猛烈な攻撃を受ければ大怪我を負うことはあるかもしれません。最悪、死に至るケースもあるでしょう。中には、熊の方が一目散に逃げていき無傷で済むこともあります。

しかし、もしあなたが落雷を受けた場合、その先に待つのは、ほぼ100%の死です。ごくまれに生還することもありますが、半身不随などの重大な後遺症を残します。

太古の昔より、雷は神の怒りと恐れられてきました。神の怒りから逃れる術など無い・・・そこで人々は雷を神として信仰し、神の怒りを鎮めようとしたのです。

時代は移り変わって現在、落雷は単なる自然現象であり、そのメカニズムさえ理解すれば避けることが出来るということが判明しています。

山は、平地よりも落雷の被害を受けやすい場所であることは確かです。しかしそれは、天上に住む神が登山中のあなたに狙いを定めて雷を放っているのではなく、メカニズムの存在する単なる自然現象です。

今回の記事を読めば、仮に登山中、雷がゴロゴロ鳴ったとしても、あなたは焦ることなく安全に、あなた自身やあなたの山仲間を雷から守ることが出来るようになるはずです。

避けられる災害は全力で避けて、安全に登山を楽しむ!登山家であるあなたの最も大切な責務です!

登山中の落雷事故の例

登山中の落雷の恐ろしさを知るには、まずは過去の事故事例を参照していただくのが近道です。これから紹介する事例は、11名もの犠牲者を出した凄惨な大事故ですが、決して避けることができなかったものではなかったと思います。

確かに落雷は、極めて致死率の高い恐ろしい災害ですが、落雷のメカニズムを知っていれば、誰でも避けることができます。

知っているか否か、これがあなたの命の分かれ道です!決して大げさじゃなく!

西穂高岳落雷遭難事故

1967年8月1日の気象状態は、本州を挟む形で高気圧が2つ並んでおり、南海上には台風があったため、大気の不安定な状態となっていた。

長野県松本市の長野県松本深志高等学校二年生の登山パーティーは、北アルプスの西穂高岳にて教員の引率による集団登山を行なっていた。この集団登山は個人での登山による危険を避けるため、希望者を集めて毎年学校が主催している行事だった。参加人数は教員5人を含む計55人。日程は、31日に松本市を出発、上高地で一泊し、1日の朝から西穂高に登山して、翌日下山、松本市に帰る予定であった。

参加者のうち46人が登頂したが、正午過ぎから天候が悪化し、大粒のひょうまじりの激しい雷雨となったためパーティーは避難を開始。避難のため下山途中の13時半頃、独標付近のガレ場を一列で下っていたところに雷の直撃を受けた。これにより生徒8名が即死、生徒・教員と会社員一人を含めた13名が重軽傷を負い、生徒3名が行方不明となった。事故発生の連絡を受けた西穂山荘からは従業員と東邦大学医学部による西穂高診療所の医師ら二十余人が現場に向かい、遺体と負傷者を山荘に収容した。無事だった生徒と教員も山荘に避難。行方不明者の捜索は濃霧により翌朝まで延期された。同日夜には事件の一報を受けた東京医科大学の医師2名が上高地から救援に駆けつけたほか、自衛隊松本駐屯部隊のレンジャー隊員らが自発的に救援に向かっている。松本深志高校にはその日のうちに対策本部が設けられ、同校長を含む教員5名が上高地に向かった。

翌朝には長野県警と高校OBによる行方不明者の捜索が開始され、結局尾根から300m下ったガレ場で3名とも遺体となって発見された。これにより死者は計11人となった。午前8時頃には無事だった教員と生徒が下山を開始。9時ごろには陸上自衛隊明野駐屯地のヘリコプター2機が現場に到着し、負傷者を松本市の病院にピストン輸送した。遺体は高校OBの手で上高地まで下ろされた後、自衛隊のヘリで高校の屋上まで輸送され、警察による検視と生徒や保護者らによる簡単な告別式の後、それぞれの家に帰された。
これは今から約50年前の事故です。この当時の気象予報技術がどこまで進んでいたのかは不明です。ただ当時の警察が、この事故に関して責任を問うことをしなかったことから、当時の落雷のメカニズムについての認識が進んでいなかったと考えられます。現在では、落雷のメカニズムについての認識も当時とは比較にならないほど進んでおり、現在の落雷事故は人災との認識がなされています。例えば、この事故の直前、「正午過ぎから天候が悪化し、大粒のひょうまじりの激しい雷雨となったため避難を開始した」とあります。

現在の技術があれば、もしくは観天望気に長けた登山家が1人でもパーティーにいたならば、雲の様子などから雷の兆候を察知し、より素早く避難ができたはずです。もしくは、もっと前の段階、登山自体を延期、もしくは中止するという選択もできたかもしれません。

いずれにせよ、このような悲惨な大事故は防げたはずです。

では、ここから雷についてより詳しく解説して行きましょう!

 雷が発生しやすい気象条件
雷が発生しやすい条件をまとめると、こんな感じです。
  • 登山では4月〜10月、特に7月、8月の夏季
  • 寒冷前線が現れた時
  • 積乱雲が発生した時
  • 夏なのに秋の空のように澄んでいる時
  • 夏で空気が濁って湿気が多い感じがした時

*寒冷前線とは、冷たい気団が暖かい気団に向かって移動する際の接触面で発生する前線を言います。

寒冷前線

 

 

 

 

 

*積乱雲についてはこちら

天候を意のままに操る観天望気という技術

雷に会わないために

雷に会わないためには、雷が発生しやすい条件のもとでは登山しないことが1番です。ただ、それだと夏季は登山できないことになってしまう・・・

そこで、あなたが登山中に雷に会わないためには、この3つに注意しましょう。

  • 夏季は出来るだけ早朝に出発し、14時頃には下山を終えるようにスケジュールを組む
  • 夏の夕方に起こる雷は同じ時間に起こることが多いので、山小屋や気象情報をチェックしておく。
  • 事前に雷注意報が出ている場合は登山を中止、もしくは延期する。

雷が落ちやすい場所

雷の性質上、これらの場所に落ちやすいことがわかっています。

  • 山頂・尾根などの、まわりより高いところ
  • 河原のように開けたところ
  • 水場

雷鳴が聞こえた時の対応・避難方法

登山中に急に空がどんより曇ってきて、遠くの方から雷鳴が聞こえる・・・

そうなった時点であなたは落雷を避ける行動を開始しなくてはいけません。雷雲があなたの頭上に到着してからではあまりにも遅すぎます。また、雨が降り出すと行動も鈍くなります。

落雷を避けるには、素早い行動が何よりも大事です。

では、具体的にどう行動すれば良いのか?以下の通りです。

  • カサやトレッキングポール、ピッケル、テントポールなどがザックから飛び出ていたら、外して手に持つ
  • あなたの近くで雷鳴を聞いたら、姿勢を低くして、なるべく低い場所に素早く移動する
  • 逃げる時は、パーティメンバーで固まらずに離れて逃げる
  • 雷と雷の間の5~10秒の隙に、姿勢を低くしてより安全な場所に移動する
  • 近くに山小屋があったら山小屋に避難する(電気機器や壁から1m離れること)
  • 姿勢を低くし、ザックの上に座って、雷の通過を待つ。地べたに這いつくばったり直にすわると 地面を伝った電流を受けることがある。
  • もしあなたが稜線に居るなら、窪地やハイマツ帯の中に逃げこみ姿勢を低くして雷の通過を待つ
  • 鎖場や鉄のはしごなどから離れる
  • 木から2m以上離れる(木の根本で雨宿りを兼ねて待つと雷の側撃を受けることがある)
  • 近くに安全な空間がない場合は、木など高いもののてっぺんを45℃以上の角度で見上げる範囲かつ木の幹や枝から2m以上離れたところが保護範囲となる

もし落雷にあったら

万が一雷があなたに直撃した場合、あなたの身体は一瞬にして黒焦げ、もしくは心停止状態になります。

直撃さえ免れれば、それほど大きな損傷は与えず、たとえ心停止しても、心臓マッサージやAEDで適切に処置をすれば高い確率で蘇生します。また、雷に打たれて倒れたように見えても、ショックを起こしているだけの事もあります。諦めずに人工呼吸や心臓マッサージを行いましょう。

電撃が走った部分は皮膚がヤケドするので、ヤケドの処置(冷やし、ガーゼや包帯で保護)をします。高圧電流は身体内の各臓器もヤケドさせるので、雷に打たれた場合は即座に下山して医療機関でチェックを受けましょう。

登山前日の天気予報情報の確認

「山の天気は変わりやすい」と昔から言われるように山ではコロコロと天気が変わります。

また地形など局地的な状況で、天候は大きく変わるため実際に何時に雨が降るかなどを知ることはできません。しかし、広域での天気予報で「天気が荒れるかどうか」 は一般的な平地の天気予報で誰もが知ることができます。

気象予報士
明日は低気圧が近づいて荒れ模様です

という予報ならば、あなたが登る山も十中八九荒れ模様です。この際、前日の天気予報が当たるか否かは置いておきましょう。それは特段重要なことではありません。それよりも「こういう可能性がある」ということは山でも当てはまる、ということをよく覚えておくことが最も重要であり、一般的な天気予報の利用方法です。もちろん、それは雷においても同様です。

テレビ等で確認

天気予報を確認し、「雷を伴う」という表現があるかに留意。

インターネットで確認

電話で確認 177番

今日・明日・明後日の天気予報を電話(自動音声)で聞くことができます。平地用ですが参考にすることはできます。

市外局番+177番

例えば上高地なら 0263177 で長野県中部気象台発表の天気予報が流れます。 注意報・警報、天気、降水確率、予想気温等が順番に流れます。

山中での確認方法

  • スマホのアプリ(電波の入りやすいところでは有効。事前に使いやすいものをインストールしておく)
  • 山小屋や自然センター等に張り出してある天気図
  • AMラジオ
    山中で積極的に天気情報を確認するにはラジオが適しています。スマホよりバッテリーのもちが良く、予備の準備も簡単です。また、ラジオは、スイッチを入れて歩くことでクマ除けにす人気の無い登山道では熊よけとしてつけながら歩くという人も居ます。
ICF-R100MT

このラジオは登山者専用に開発されたもので、通称「山ラジオ」と言います。現在あなたが登っている山の名前から周辺の放送局を手軽に選べるようになっています。72gと軽量、名刺サイズと小さく、ザックのショルダーベルトに装着可能です。単4乾電池一本で、イヤフォンでAMを聞くなら72時間電池が持つという優れものです。

雷の接近を感知する方法

接近してきた雷を事前に感知できる場合があります。観天望気の知識があれば、積乱雲の接近で容易に感知できますが、それ以外にも、雷が放出する電気で完治できる場合があります。

ただし、雷接近の感知は容易ではなく、登山初心者がいきなりできるものではありません。よって、以下に雷接近の目印となる現象を記します。登山中に空がどんより曇ってきたら、この4点を思い出してください。

もし、運よく近くにベテラン登山家がいたらぜひとも教えてもらってください。勉強になりますし、きっと快く教えてくれるはずです。

  • 積乱雲の接近
  • パチパチ、ブーンという音が聞こえる
  • 髪の毛が逆立つ
  • AMラジオにガリガリという雑音が入る

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