あなたは”登山計画書”というものを書いたことはありますか?
”計画書”というと、なんだか仕事の書類を作成してるみたいで堅苦しいのですが、実はこれ、あなたの命を救うことになる極めて重要なアイテムなのです。
地域によっては条例で義務となっている場合もあります。
とはいえ、慣れてしまえばチョチョイと書けますし、別に決まったフォーマットがあるわけでもないので、必要事項さえ押さえておけば後は登山紀行文のように自由に楽しく書きましょう。
今回はそんな、堅苦しくない登山計画書の書き方をあなたにシェアします。
それではどうぞ!
目次
無計画?な私の登山計画書
あなたは、何事においても行き当たりばったりに事を進める方ですか?
それともしっかり計画を立てる方ですか?
実は私は、何事においてもあまり計画を立てるということはしません。
何かを始めようと思い立ったら、計画よりも何よりも先ずはやってみます。
例えば、初めてクライミングジムに行った時、もちろんクライミングのやり方など全くわかりませんでした。
でも、周りの人のやっている姿を見てとにかくやって見たのです。
で、どうしてもうまくいかないところだけはインストラクターの方にやり方を聞く。それで、うまくいきました。

もちろん、このやり方が最も正しいのであなたも是非そうしてください!などというつもりはありません。
特にクライミングジムでは、初心者には講習受講を義務付けるところも多くありますし。
人には人の覚え方、やり方があります。例えば、人の学習タイプは4種類あって・・・おっと!このことについてはまた後日説明しますね。
ただ私の場合、何事もまずはやってみて物事を覚えていく方がしっくりくるのです。
少々話がズレましたが、つまり私は何をするにもあまり計画を立てて進めることはしない、ということです。
ただ・・です。
こんな私でも登山をするぞっ!という時は必ず綿密に計画を立てます。
登山計画書に表れる2つのタイプ
ここで、あなたに1つ質問です。
登山において有利になる!のは次の2択のうちどちらのタイプの登山家だと思いますか?
- 行き当たりばったりに事を進める
- しっかり計画を立てる
答えは1でもあり、2でもあります。これがどういうことか、あなたにはわかりますか?1と2のタイプについてそれぞれ解説しますね。
1.行き当たりばったりに事を進める

まるで未知なる世界を冒険するかのように登山を楽しむタイプの登山家です。
当然ですが、このタイプの登山家はトラブルに見舞われることが多く、怪我をするか、道に迷うか、はたまた予想外のトラブルで危機に瀕するか・・・とロクな目にあいません。
ただこのタイプの登山家の多くは、そういうことに慣れているため、どんなトラブルにも柔軟に対応でき、頼りになります。
例えば、登山中はどんなにしっかりと計画を立てていても、その時その時でどんなことが起こるかわかりません。
怪我や道迷いの危険は当然ですが、他にも
- 登山では命ともいうべき登山靴のヒモが切れてしまうかもしれない。
- ザックの中の登山道具を途中で落としてしまうかもしれない。
- ザックの中の食料を猿に持っていかれるかもしれない。
- 水筒の水をこぼしてしまうかもしれない。
- 熊に遭遇してしまうかもしれない。
そんな時、その場で知恵を絞って対応策を考案することができる、もしくはその技術が身につくというわけなのです。
2.しっかり計画を立てる

まるで現場作業の前日に次の日の段取りを綿密に組み立てていく現場監督のように、計画的に登山を楽しむタイプの登山家です。
計画をきっちりと立てることはすごく大事ですし、素晴らしいことです。ただ、それに頼りすぎると、予想外のトラブルに見舞われた時に対応がうまくいきません。
また、トラブルを想定しすぎて全てのトラブルに対応しようと必要以上にザックの中の荷物が増えてしまうタイプの登山家でもあります。
万が一の時はその場で対応する気概を持ちつつ、計画もしっかりと立てる!
つまり、「行き当たりばったりに事を進める」ことも「しっかり計画を立てる」ことも必要だということです。
登山計画書を書く理由

そもそもなぜ登山計画書を作成する必要があるのか?
”登山計画書”・・・確かに堅苦しくて、何だか業務上の書類を作成するかのような印象を与えます。
ただ、この”登山計画書”、業務上の種類と同様、いや場合によってはそれよりもはるかに重要な意味があるのです。
登山計画書を作成する理由・・・
それは、もしあなたが山で怪我をして動けなくなってしまった場合、警察や警察から要請を受けた救助隊ができるだけあなたを素早く発見し救助するためなのです。
例えば、あなたが単独行で登山をしていたとします。
単独行についてはこちらをご覧ください。
↓
登山は1人で行うもの?
ふと油断して足を滑らせて斜面を滑り落ちてしまった!幸いにも斜面は短く、すぐに木にぶつかって身体を確保することができましたが、足が痛くて歩けない!
スマホで助けを呼ぼうにも山奥すぎて電波が入らない!
周りには他の登山家は誰もおらず、人が通る様子もない!
もちろん民家も全く見当たらない!
もはやなすすべがない絶体絶命の大ピンチですが、登山では珍しい事態ではありません。毎年、こんな状況に陥ってしまった登山家がその尊い命を失ってしまっているのです。
もしあなたがこんな事態に陥ってしまったとしても、事前に登山計画書を作成して最寄の警察署に提出していれば、下山が遅いあなたに気づいた警察官が救助隊を派遣してくれます。
登山計画書については長野県警がホームページ上で詳しく解説しています。

登山計画書記載の内容をもとに、警察から要請を受けた救助隊はあなたの捜索に向かってくれるはずです。
というわけで、無事あなたは救助されるということになるのです。
もちろんあなたの家族の要請があれば警察は動いてくれますが、実は登山計画書がないとあなたを捜索する範囲がものすごく広がってしまうのです・・・
登山計画書があれば、救助隊要請から数時間であなたを救助できるような場合も、登山計画書がなければ、20時間もしくは2、3日要してしまうこともあるのです。何日かけてもあなたを発見できず、捜索が打ち切られる場合も十分あり得ます。
わたし流登山計画書の書き方
では、登山計画書にはどんな事を記載すれば良いのか?
1、あなたの住所、氏名、連絡先
2、登山の日程(登山開始から下山、バスの時刻まで)
3、登山ルート(帰りに乗るバスも含めて)
4、パーティ登山ならば他のメンバーの氏名
5、緊急連絡先(その他連絡のつく人)
6、食料計画
7、エスケープルート
8、山岳保険の会社名
最低限これだけ記載していればオッケーです。
各項目についてはこちらをご覧ください
↓
登山計画書 王道の書き方
1〜8の項目が記載されていれば、登山計画書として成り立っており何の問題もありません。
でも、はっきり言ってつまらない・・・ですよね!?
ただ1〜8の項目を記載するだけでは、本当に会社の業務で作成する書類と一緒になってしまいます。
いくら登山計画書が極めて大事!とは言ってもつまらない書類など書いたってイヤになるに決まってます。
そんなわけで私は登山計画書を作成する時は、自分流にアレンジしています。
登山を始めたばかりの頃、登山計画書という決まった様式は全く使用せず、大学ノートに全てを書き込んでいました。

「計画書」なので当然登山前に書くのですが、1〜8の内容を記載しつつ行間に自分の気づいたこと、山で何をするか、山での目標なども書き込んでいました。要は自分の登山準備を記事にしていたわけです。
で、登山計画書として必要な1〜8の部分をコンビニでコピーし、登山当日にそれを最寄の警察署に提出してから、登山に臨んでいました。
また、基本的に計画書ですが、登山中もノートに様々なことを書き込んでいました。登山中の自分の心境や山からの景色、木々や花、途中で食べた料理などについても書き込んでいたのです。
ここまで書き込むと、もはや計画書ではないかもしれません 笑
それから十数年、時代は変わり、現在私は登山計画書作成のために大学ノートを使用することはなくなりました。
大学ノートでの計画書は書いていても楽しく大好きだったのですが、残念ながら警察に提出した私の計画書はかなり読みにくかったと思います・・・
何しろ(救助隊にとっては)どうでもいいことばかり書かれていた計画書でしたから 笑
ある日、計画書を提出した時、警察官の方に注意を受けました。
確かに、私が山で何をするか、とか山での目標なんかどうでもいいですよね 笑
そんなわけで、現在私は大学ノートではなく、Macbookを使っています。

これだと、どれだけ好き勝手なことを打ち込んでも簡単に編集ができ、提出用の書類と分けることができます。
また、あらかじめフォーマットを作成しておけば時短にもなり、写真も貼り付けることができます。
提出用の書類はその場で作って、すぐにメールで警察署に送信。わざわざ警察署に足を運ぶ必要もありません。
ザックの中にMacbookを入れておけば、休憩時にちょっとした記事を書くこともでき、山で記事を書き上げて、下山した時には1記事完成!なんてことも簡単です。
もちろん山ですから、雨や砂、泥などには細心の注意が必要ですが。
最後に・・

「書類を作成する」なんて堅苦しい言葉で登山計画書を捉えると、どうしてもめんどくさくなってしまいます。
では「登山日記をつける」・・・うーん、やはり「日記」という言葉から三日坊主の匂いがプンプンしますね・・・
基本的に文章を書くことが好きな私。そんな私でも書類を作成だの、日記だの考えてしまうとどうしてもめんどくさくなってしまいます。
そんなわけで、私は登山計画書を「登山紀行文」または「山岳記事」を書くつもりで作成しています。実際に私が書いた登山計画書を見ると、本当にそんな内容です。
不思議なことに、登山計画書を「登山紀行文」や「山岳記事」と捉えると本当に自由に書けるし、何よりも本当に楽しいのです!
あなたも騙されたと思ってぜひ試してみてください!もちろん手書きのノートでもパソコンでも、あなたの好きな方を使ってください!
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